子供の近視、特に小学校低学年から近視になる子供が最近急増しています。子供をとりまく環境の変化、生活様式の変化が原因と考えられており、日本のみならず世界的な問題になっています。
近視は「見えなくなったらメガネをかければいいや」と思うほど、実は単純ではありません。近視になると将来、緑内障や網膜剥離や黄斑変性症など近視以外の病気になる可能性があります。これらの病気は、近視の度数が強いほど危険率が上がります。子供の頃に近視を発症させない、そして進行させない事が大事です。
子供の近視、特に小学校低学年から近視になる子供が最近急増しています。子供をとりまく環境の変化、生活様式の変化が原因と考えられており、日本のみならず世界的な問題になっています。
近視は「見えなくなったらメガネをかければいいや」と思うほど、実は単純ではありません。近視になると将来、緑内障や網膜剥離や黄斑変性症など近視以外の病気になる可能性があります。これらの病気は、近視の度数が強いほど危険率が上がります。子供の頃に近視を発症させない、そして進行させない事が大事です。
眼球の形が長くなるか、角膜・水晶体の光の屈折力が強くなることにより、ピントの合う位置が網膜より前になっている状態です。近視になると近くのものはくっきり見えますが、遠くのものがぼやけて見えます。
遺伝および環境が大きく影響します。
近視度数ごとに、将来、目の病気に罹患する比を示します。例えば、軽度の近視であっても、近視がない場合と比較して、緑内障になるリスクは4倍も高いことがわかります。
近視度数 | 白内障 | 緑内障 | 周辺部網膜変性 | 網膜剥離 | 近視性黄斑症 |
---|---|---|---|---|---|
弱度近視 (-1~-3D) |
2倍 | 4倍 | 6倍 | 3倍 | 2倍 |
中等度近視 (-3~-6D) |
3倍 | 4倍 | 18倍 | 9倍 | 10倍 |
強度近視 (> -6D) |
5倍 | 14倍 | 40倍 | 22倍 | 41倍 |
遺伝&環境が主な原因なので、「近視にはこれっ!」というような治療は正直なかなかありませんが、子供に対しては一時的な近視の状態(仮性近視:調節緊張)を改善する目的で、ピントを合わせる筋肉(毛様筋)を緩ませる「調節麻痺点眼薬」を使える場合があります。ただ、近視の状態が長期間におよぶと目(眼軸)が伸びてしまい、効果が期待できないこともあります。点眼の種類としては若干のバリエーションがありますので、ご相談ください。
遠視は、目の長さ(眼軸)が短いため網膜でピントが合わず、光が網膜より後ろでピントを合わせている状態です。若いうちは、水晶体(レンズ)の調節力(レンズが膨らむ事)により、網膜より後ろにずれたピントを網膜上に移動させることができるうちは、視力が良好です。
遠視の方は普段よく見えているので、眼科受診歴があまりないと思います。ただ、上記のようなことが起こる可能性があり、注意が必要です。全ての病態を表記するのは難しいので、ご来院いただければ詳しくご説明いたします。どうぞお気軽におこし下さい。
老視(老眼)は、40歳前後から始まる目の老化現象です。
加齢によりピント合わせをしている水晶体周囲の筋肉が衰え、近くが見えにくくなります。近くが見えにくくなっているのに無理をして見ていると、目の疲れ、頭痛、吐き気などの症状が現れます。
近視の人は、もともと近くにピントが合っているため老視に気づきにくいですが、眼鏡やコンタクトレンズなどで遠くにピントを合わせた状態で近くを見るとぼやける場合、それが老視です。
ただ、視力の低下を「老視だから」と自己判断していたら、実は緑内障や加齢黄斑変性などの病気が隠れている場合もあります。目がかすんだり、何となく見えにくいと思われる方は、お早めにご相談ください。